熊本県 JIDAI 合志モデルハウスコンセプト

〜暮らしがひとつながりになる家〜
日々の暮らしを振り返ってみる。キッチンで食事を作り、ダイニングで食事をし、リビングで寛ぎ、浴室で疲れを流し、寝室で眠りにつく。それぞれの時間を過ごす場所を「決めている」要素は何か。それは“高さ”なのではないかー。

このモデルハウスで試みたのは、暮らしの場所性を作っている“高さ”をフラットにつなぐこと。アプローチから内部までひとつながりに巡らせたスラブ上に、暮らしの要素を設計していった。場所を曖昧にすることでどのような豊かさが生まれるのか。

キッチンなのか、洗面なのか、テーブルなのか、ベンチなのか、はたまた床なのか。不変の平坦でありながらも自在に用途が変化するスラブが「自由」を具象化し、nLDKで括られる一般的な間取りでは得難い刺激とつながりのある空間の心地よさを実現する。

Concept - 1

急速な国際化、ダイバーシティー化への対応の鍵は「固定観念からの解放」と「多様性の許容」

海外メーカーが拠点を構えるなと、急速にダイバーシティー化が進む熊本県合志市。このエリアにモデルハウスを構えるにあたり、多様な人々を受け入れる場となることを考慮した。多様な価値観を受け入れるための前提として、既存の固定概念からの脱却を促すような実験的なデザインを目指し、社内2部署を横断するプロジェクトとして、複数名の設計士が意見交換を繰り返しながら検討を進めた。従来のモデルハウスでは「普遍的なペルソナ」が想定され、豪著なオプションを謳いつつも、間取りは普遍的であることが通例である。しかし現代に「普遍的なペルソナ」が通用するだろうか。リモートワーク、感染症対策など、要望は個別化・複層化。殊更この合志市においては、靴を脱ぐ・床で寛ぐなど日本的な暮らし方も当たり前ではなくなるだろう。このような状況下において、誰しもが個別に居場所を見つけ、各々がアクティビティを楽しみ、且つ集ってコミュニティとなり得るような空間設計を目指した。